気づけばキミと恋に落ちて

「なぁに、これ」


券を受け取り、やっさんを見ると「カラオケの割引き。今日までなんだ」と、人差し指で頬をポリポリ掻きながら照れくさそうに言った。


「ふーん。で、どうしてわたし…?」


わたしに好意があるわけでもない。


ましてや、一緒にカラオケなんか行ったことないのに。


「よく、見ろよ」
「ん?」


そう言われて、書いてある文字をすべて読む。


「カップル限定…?」
「そう。この券、男女じゃないとダメなんだと。ったく、なんでそんな券作るかなぁ」


やっさんは、ブツブツと文句を言ってたけど。


「えっと…やっさんは、カラオケ好きなの?」
「ん?言ったことなかったっけ?オレのストレス発散は、歌うこと‼︎」