気づけばキミと恋に落ちて

わたしのことを〝姉貴〟と言ったオトコ。


吉岡陽一(よしおかよういち)二十八才。


三つ下の弟だ。同じ〝陽〟が入ってるのは親の悪ふざけか。


双子なら、同性なら、まだわかるも姉弟で同じ字が入ってるのって、わたしたち的にはちょっと迷惑で。


〝はる〟と〝よう〟で読み方はチガウけど、小さい頃はよくからかわれたっけ。


「あー、陽ちゃんごめん。チャーハンでもいい?」
「うん、いいよ」


わたしたち姉弟は変わってる。姉のわたしは〝陽ちゃん〟と呼んで、弟は〝はる〟と呼び捨て。


大きくなるにつれて不満はあったけど、お互い直せなくなっていて今じゃこれが普通だ。


「ん、できたよ」
「うまそっ」


ついでだからと、自分の分も皿に盛り付け二人で朝ごはんを食べることに。