気づけばキミと恋に落ちて

「メシ、食いに来た」
「はぁ……」


こんな時間にゴハンって…。なに考えてんだか、コイツは。


「なぁ、なんかないのかぁ?」
「ない」


あったとしても、寝起きで作れるわけないじゃない。


「コンビニで買って食べなよ」
「やだよ。コンビニメシより、はるが作るメシのほうがうまいもん」
「……う」


そう言われると、弱いのが女心。


「小さい頃から、はるのメシ食って育ってきたんだ。オレにしたら、はるのメシがオフクロの味だな」
「ちょ、勝手に〝オフクロ〟にしないでよ‼︎」


オフクロにされたのはシャクだけど、〝コンビニより美味しい〟と言われるのはイヤじゃない。


リビングに行こうとしたのを止め、冷蔵庫を開けた。


「あれ?もしや、作ってくれるの?」
「べつに。気が向いただけだから」
「さすが姉貴っ」