気づけばキミと恋に落ちて

座れってこと?それならそうと、口で言えばいいのに。


なんのために、口が付いてるのよ。


「大丈夫です」


誰が座るもんか。それに今、座ったらわたし確実に寝ちゃう。寝る自信あるもん。


「イイから座っとけよ」


断ったのに、素直に座らなかったからなのか今度は喋った。


相変わらずオレ様口調だけど。それでもその言葉を無視していると、短い溜め息が聞こえた。


「お前、降りる駅どこ」
「え?……千の里、ですけど」
「ふーん」


え、なに。聞くだけ聞いといて〝ふーん〟って‼︎


しかも〝お前〟って‼︎いや、名前言ってないから仕方ないけどさ。