気づけばキミと恋に落ちて

***


送別会は会社から歩いて、15分のところにある居酒屋さん。


宗ちゃんのトナリを歩くけど、さっきの言葉があるせいか、なにを話せばいいかわからない。


忘れよう、聞き間違いだ、と思ってみたけど、どうしても気になってしまう。


「はるちゃん?」
「えっ?」
「どうかした?ボーッとしてるけど」
「いえ……」


やっぱり宗ちゃんの言葉は、聞き間違いだったんだ。〝どうかした?〟なんて聞くくらいだもんね。


それから居酒屋に着くまでの間、当たり障りのない会話をしながら歩いた。


居酒屋に着くとすぐに案内され、中からガヤガヤとみんなの声が聞こえてきた。


「あ、やっと来たなぁ‼︎遅いですよー‼︎」


わたしたちが顔を出すと、それに気付いた留里ちゃんが、みんなにも聞こえるように声を上げた。


「悪い、待たせたな。和歌ちゃんも、悪かったね」