そんな目で見んなっ。ただでさえ、今ヤバイのに。


「ってか、なら…陽美ん家行けばよかった…。あれ見た時、陽美のこと諦めようと思ってた…。あの時、オレが陽美ん家に行ってたら、陽美は一人でココに来ることもなかったし、そしたらあんな目に合わずに済んだのに。オレのせいだな…」


スキなオンナ一人守れないとか、終わってんなオレ…。


「……そんなこと言ったら、わたしだってあの時、逃げ出さないで拓篤の話聞いてればよかったよ。そしたら、拓篤がイヤな思いしないで済んだもん」


なーんでこんな、優しいんだろうな。


自分のことよりも、オレのこと考えてくれて…。


ホント周りにはいなかったな、こんなオンナ…。


「ありがとな、陽美。もっと早くに出会えてたら、よかったのにな」


ユックリと陽美を抱きしめる。さっきよりも、もっともっと大切だと気持ちを込めて…。