「あー、オレって顔だけなんだって思ったよ。ちょっと人よりモテたりして、親に感謝してたけど、その一言で、この顔がイヤになった。それからだ、オレがチャラくなったのって。近付いてくるオンナが全員信用できなくて」


あの時のオレは、人間不信だったと思う。


きっと本気でスキになってくれたオンナも、いたと思う。


でも、信用できなかった。


「しかもさ、〝抱いてくれるだけでもいいから〟って、言ってくるオンナもいてさ。あー、マジでオレって顔だけなんだなって」


はじめの頃は、言われるたびに落ち込んで。


でも、いつの間にか、それが当たり前になってた。


「……けど、陽美はチガったんだ」
「わたし…?」
「あぁ、そう。陽美はオレのこと、ちゃんと一人の人間として見てくれるって思ったんだ」


オレが肩を抱いたら、マジで怒って。


オレが、なにを言っても色気を使ってこなくて。