そう言うと男性スタッフは、わたしの傍から離れ、オトコのところに向かった。


「お客様、ホントに大丈夫ですか?もしなにかあれば、いつでもフロントにかけてきてくださいね。他のスタッフにも伝えておきますので」
「ありがとうございます…。その時は、よろしくお願いします…」


オトコを二人がかりで立ち上がらせ、エレベーターに向かう途中、さっきの男性スタッフの方がそう言った。


そして〝おやすみなさいませ…〟と、二人の男性スタッフの方が言い残すと、三人はわたしの前からいなくなった。


一つ溜め息を吐いて、部屋の中へと入る。


そして敷いてくれたお布団の上に、崩れ落ちるように倒れ込んだ。


ジワリと、溢れ出す涙。有給なんてもらっちゃったから、その罰だったのかもしれない。


そんなことを思いながら。ふ、と枕元に置いておいたスマホに手を伸ばす。


特に操作することなく、ただ真っ黒の画面をボーッと見つめていると、着信の画面になり思わずスマホを手放した。


「……っ」