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そんなことを思っていれば、自分の降りる駅に着いた。


都会ではギュウギュウになって、モミクチャにされるんだろうけど、都会とはチガウ田舎では、ギュウギュウになるなんてことは、まずありえない。


もちろん、それなりに人はいるんだけど、苦痛になるほど大変じゃない。


わたしから見て反対…つまり、彼側のドアが開く。


ゆっくりと流れるように、電車から降りた。


スーツ姿でもなく、いつもラフな格好の彼。しかも毎日見かけるわけじゃなくて、週に二日か三日。


どんな仕事してる人なのかなぁ?


わたしの歩くスピードが遅いのか、彼がドア付近だからなのか、いつも彼がどっち方面に歩いて行ったかすら見えず。


今日も、見失ってしまった。


それでも特にヘコむことなく、自分の勤め先へと足を運ぶ。