なんかそう考えたら、おかしくなってきちゃった。


「あははははっ‼︎」
「はる…」
「やだっ、陽ちゃん。どうしたの、そんな苦しそうな顔しちゃって。お腹いっぱい食べたから?」
「はる」


わかってる、わかってるよ。陽ちゃんが怒る気持ち。


でも、もうわたしにはムリだ。ほとんど恋愛してこなかった、わたしの試練だったってことにしよう。


「陽ちゃん、わたし帰るね」
「は?でも、」
「今、泣いたからスッキリしたよ。ありがとう、陽ちゃん」


きっともう、わたしがなにを言っても聞かないと思ったんだろう。


まあ、ずっと姉と弟をやってきてるからね。


「……わかった。メシ、ありがとな」


それだけで、あとはもうなにも言わないでいてくれた。


「じゃあ、またね。土曜日に、どうせ来るんでしょ?美味しいモノ、作るよ」


それだけ言うと、陽ちゃんの家を出た。