気づけばキミと恋に落ちて

顔を上げた拓篤と、目が合う。でも、いつもの拓篤はそこにいなくて、わたしもどうしていいか、わからなくなる。


「立てる?」
「あぁ…」


顔を覗いて聞けば、小さく返事をして立ち上がった拓篤は、やっぱりいつものわたしの知ってる彼じゃなかった。


「拓篤、今日は帰ろうか。なんか具合悪そうだし。ね?そうしよう」


こういう時、どうすればいいか、わからなくて、わたしは帰ることを選択した。


そして、わたしが一歩前に出た時、拓篤に腕を掴まれ立ち止まる。


「拓篤……?」


名前を呼ぶも、拓篤はなにも言ってくれなくて、その時思い出したんだ。


わたしみたく、なにか〝言いたいこと〟や〝されたいこと〟があるのかな、って。


「ね。わたしに、なにか言いたいこと…されたいこと…ある?」