「だって、はるるんずっと恋してなかったじゃない?ところがどっこいよ‼︎あんなイケメンと恋に落ちたら、もう離れられなくなるね、ゼッタイ」


留里ちゃん、どっこいって…。でも、留里ちゃんの言ってることは、わかる気がする。


ずっと恋という、恋をしてこなかったんだ。


今、拓篤に惹かれてて、これで拓篤に〝遊ばれてた〟とか、〝実は本命がいた〟とか、そんなことになったら、わたし生きていけないかもしれない…。


やっぱり、関わるべきじゃなかったのかなぁ。


「こら、はるるん‼︎」
「ひっ‼︎」


耳元で大きな声を出され、耳が痛い…。


「今、ネガティブなこと考えてたでしょ‼︎そんなこと考えてたら、恋なんかできないよ⁉︎」


って…考えさせられたのは、留里ちゃんの言葉が原因なんだけどな…。


「ま。負け組のわたしが、言うセリフじゃないけどねぇ…」
「留里ちゃんは、負け組なんかじゃないですよっ」


そもそも、負け組なんて誰が言い始めたの?


勝ちとか負けとか、そんなの人生に必要ないのに。


「そういう、はるるんがスキだよ」


ふふ、と笑うと、わたしの肩をポン、と叩いて自分の席へと戻って行った。


わたしも、そういう留里ちゃんが、大スキだよ。