気づけばキミと恋に落ちて

「……ごめん、なんでもないや…」


結局、こう言うしかないんだよね。


「ホントか?」


拓篤がそう言って、わたしの顔を覗き込んだ時だった。


『ねぇ、ギュってしてよぉ』


女性の声がして、見ると若いカップルの姿があった。


若いと言っても、わたしより若いってだけで学生ではない。


男性のほうは、スーツを着てるし、きっと近くの会社員なんだろう。


女性のほうも、わたしと似たような格好をしてるからOLかなんかだと思う。


それにしても、朝っぱらからすごいセリフだ…。