気づけばキミと恋に落ちて

すると、拓篤の手がわたしの腰に回り、グイッと抱き寄せるとそのまま歩きだした。


「ちょ、拓篤っ」
「止まんな、降りそこねるぞ」


そんなこと言われたら、もうなにも言えない。


黙ってわたしは、拓篤の腰に回された手を意識しながら電車を降りた。


と、言っても方向が別だからすぐにお別れだ。


「じゃぁね」


そう言って、自分の会社に向かおうとするも、一緒に付いてきた拓篤に首を傾げた。


「なに言ってんの。オレのオンナ、だろ?送るし」
「えぇっ!?な、なんで…」


待って。〝恋人〟って、そういうモノなの…?


というか、わたし返事してないんだけどな…。でもきっと拓篤のことだから、やめないんだろうな。