気づけばキミと恋に落ちて

飲み物こぼしたんだろ?まあ、とりあえず行けばわかるか。


「ね、拓篤。どうしたの?」


オレがタオルを持って、陽美たちの部屋に行こうとした時、一緒に働いているオンナが声をかけてきた。


「客が飲み物こぼしたんだと。行ってくるから、少しの間カウンター頼むな。それと、仕事中だ。名前で呼ぶなつってんだろうが」


このオンナは佐伯(さえき)というヤツで、べつにオレのオンナでもなんでもない。


「拓篤……店長は、カウンターにいたほうがいいんじゃないですか?わたし代わりに行きますよ!」
「いや、いい。オレが行く」


佐伯が行くというのを断る。陽美の部屋じゃなければ、行かせたかもしんねぇけど。


それと、やっぱり気になるからな。


「でも……」という佐伯をムシし、陽美たちがいる部屋へと向かう。


〝トントン〟とノックをし、ドアを開けた。