気づけばキミと恋に落ちて

飲み物を持ってきた彼女は、トレイにお茶二つを載せてスリッパを脱いで上がってきた。


「ちょっ…⁉︎」


だけど、その直後テーブルの上に置こうとしたお茶が彼女の手から滑り落ちた。


滑ったというより、わたしにはワザとにしか見えなかったんだけど…。


「ごっめんなさーい」


このワルイと思ってないような謝り方。


ね。ゼッタイ、ウソだよ。そして彼女はもう一つのお茶をテーブルに置くと、無言で出て行った。


え、これって…わたしこのまま?


まさかの放置プレイ?タオルとか持ってきてくれるんだよね?


若干パニックになっていると、なにも知らないやっさんが戻ってきた。


「さて、はるちゃん。うたお……って、えぇっ⁉︎どうしたの、これ‼︎」
「わたしにも、わからないよ…。それよりやっさん、冷たいよ…」


いくら今が春という季節でも、水を被れば冷たい。


座ってるところにかけられたから、太腿から下にかけて、わたしの服はずぶ濡れで…。


やっさんはすぐに部屋に付いている電話を取り、耳にあてた。


「あ、すいません。タオル持ってきてもらえないでしょうか」