気づけばキミと恋に落ちて

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「おはようございます」


宗ちゃんは不満気な表情(かお)を見せてたけど、次々と出勤してくる社員さんたちの姿に、一つ息を吐いて、コーヒーカップに口を付けた。


「あっ‼︎また二人で珈琲タイムですかっ⁉︎」


ニヤニヤしながら近付いてきたのは、二十五歳の和歌(わか)ちゃんだ。


今週の金曜日に、和歌ちゃんの送別会がある。


また一人、寿退社が…。もう、何人のお祝いをしただろうか。


「陽美さーんっ‼︎」
「えっ⁉︎あ、ごめん。ボーッとしちゃってた」
「んもうっ‼︎」


プクッと頬を膨らませる和歌ちゃんは、とってもキュートで同性から見ても、可愛いと思ってしまう。


「あの、宗ちゃんとはそういう関係じゃないんですよね…?」
「えぇっ⁉︎どうしてそうなるの‼︎当たり前でしょ?おかしなこと言わないでよぉ…」


小声で聞いてくる和歌ちゃんに、コチラもなんとなく小声で返した。