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少し急ぎ気味で裏庭に向かうと既に久我山は来ていた
『ごめん、待たせちゃったかな?』
急いでいても猫破りを忘れずに、俺は言った
「いえ、大丈夫です」
彼女は少し慌ててそう言った
『そっか。それで用事って?』
「あ、あの新田君って今彼女いますか?」
『どうして?』
「あのですね、その、友達が新田君の事を気になるらしくて」
彼女にそう言われた時は少しびっくりし
た
俺に用事があるって奴は大抵告白だったし、(まぁ、愛梨と蜂宮は別だか)
友達の為にこんな事する奴は多分こいつが初めてだからだ
『”今は”いないよ』
俺がそう言うと彼女は……
「え、なら!『でも』」
『気になる子はいるんだ』
自分でもどうしてこんな事言ったのか
良く分からない。
けど、彼女に…久我山に彼女がいるかと聞かれた時に頭に浮かんだのは”あいつ”だったんだ
「そうですか。分かりました!友達にはそ う伝えておきます」
彼女はそう言うと校舎の方へ走り出した。……が、少し行ったところで振り返りこう言った
「新田君ってそーゆう風に笑えるんですね」
どーゆう風だよ
「なんていうか、ふわっと笑うみたいな?それと、気になる子がいるなら絶対その子のこと逃がしちゃ駄目ですよ!」
ふわっとってどんなだよ
ってか俺、笑ってたのかよ?


