フェランドチームを従えて、店の入り口前で監視している捜査員の最前線まで進む。フェランドに視線を送ると、彼が小さく頷いた。それを合図に、オレは一気に加速して入り口の扉に体当たりする。
スライド式の強化ガラス扉が砕け散り、女性の悲鳴が響いた。飛び散るガラスを浴びながら、無表情に立ち尽くしているロボットを、すかさず捕らえて背中の後ろで腕を拘束する。
人質にガラスが降りかかったのではないかと気になって、オレは彼女のいる方を窺った。一応、見取り図と自分の見た映像から、人質には被害が及ばないように計算して飛び込んだのだが。
後から突入したフェランドチームが、店の隅でうずくまっている女性を保護した。フェランドたちに体を支えられながら、声を上げて泣きじゃくっているもののケガはないようだ。
ホッとしてロボットの腕に手錠をかけたとき、耳慣れたメッセージが頭の中に流れた。
登録情報読み取り確認。
は? なんで、今ここで?
イヤーカフに記録された登録情報が読み取られるたびに、このメッセージは流れる。リズの研究室や警察局の建物に出入りするときに、いちいちうるさい。
だが普通の店の入り口には認証装置はない。あるとしたら決済用の認証装置だが、店員が操作しなければ作動しない。今ここにはのんきに認証装置を操作している店員などいないのだ。



