「はァァぁん!?何が俺だからだよ!ナルか?ナルシストか!?勘弁してよキモい」


「誰がナルシストだ!俺がカッコいいのは事実だろ?キモくねぇ!」


「あーあーキモいキモいキモい。自分でカッコいいとかどんだけ」


「キモくねぇ!っざっけんな!」


論点ズレまくりでだんだんとヒートアップしていく私とタクは、テーブルを挟んで睨み合っていた。
それはもう、顔が近かったと思う。
でも、そんなことはどうでもいいんだ。



だって、ムカつくから!!



「……うるせぇ」



私とタクのおでこがあと3センチでぶつかるという距離の時、総長室のドアが開きイライラしたような不機嫌な声が聞こえた。




「あ、颯人おはようってかもう昼なんだけどさ」


「…あぁ。寝すぎた」


タクとの近すぎる距離から瞬時に颯人へと向き直った私は、タクへの怒りを捨てさも平然と言う。

声は不機嫌なものの颯人は今まで寝ていたのは嘘でしょ、と言わんばかりにいつも通りだった。





「ねぇ颯人、タクがキモくてウザいんだけど」


「お前何さりげなく颯人にチクってんだよ。つかキモくてウザいって何だ」



冷蔵庫からウーロン茶を取り出し喉に流し込む颯人に向かって言えば、すぐに突っかかってくるタク。



いやいや、



「は?事実を述べたまでだけど?」


「お、ま、え、なぁ…」


「何?なんか文句ある?」


「だから、お前はなっんでそんなに可愛げがねーんだよ!!」


「別にタクに可愛いなんて思ってもらわなくて結構ですぅ」


「おまっ…」