「けど、俺は諦めねえから。本気で好きだからすみれちゃんのこと」





「……俺だって」





俺は小さくそう呟くと鞄を掴んで部屋を出ていった。





ずんずんと廊下を早足で歩いていく。





「わあ。爽様だわ」





「まあ。けど、なんか不機嫌じゃなくて?」





「そうね……」





そんな会話を小耳にはさんで、俺はなおさら速く歩いた。