「早くしろよ。おせえんだよ」





え、だ、だってなんの約束もしてないじゃんっ!




「ちっ」





爽が舌打ちをして私の鞄を掴んだ。





「行くぞ」





空いた片方の手で私の手首を掴む。





「えっ、ちょっ、すみれ様?!」





私は、引っ張られるがまま生徒会室を出る。





うわっ、ちょっ!





「あ、そうそう。そこのお前」





べぇっと、爽が竜太郎に向けて舌を出した。





「人のものに手を出すなよ」





へっ?!





ドキッと胸が跳ねる。





そのまま爽に引っ張られるがまま、私は走り出した。