全部思い出した。
本当の自分がようやく分かった。

「あのさ……。ありがと。」

お届け屋さんは瞳を大きく開けて、驚いている。

「お届け……夢野くんも、春子も私のために夢を見させてくれたんでしょ?」

夢野くんの眉間にシワがよる。
哀しそうな瞳をさっと伏せ、俯く。

それでも私は続ける。

「こっちが夢。あっちが現実………。私が見ていた夢が現実なんだね。」

夢野くんはゆっくり頷く。

あぁやっぱりそうなんだね。じゃあ私は