あの人……

「ねぇねぇ蝶子!今、夢野くんに話しかけられてたじゃん!いいよねぇ。夢野与助!イケメン万歳だよ!」

夢野与助?

「私……あの人知ってる」

知ってる。あの人。どこかで会った。
どこで?

わかんない……

けど、あの人は私に……

「蝶子?……ぷっ!あははは!何言ってんのぉ?当たり前じゃん!1年近くも同じクラスなんだから、知らないはずないでしょ!」

藍佳は笑いながら背中をバンバン叩いてくる。

「蝶子って、偶にぼっけーなこと言うよね。あたし、そーいうとこ好きだよ!」

それはどうも。

でも、確かにそうよね。
同じクラスなんだもの。知らないはずないか。

何言ってんだろ。私。