現実は小説よりきなり









「前もって話してた通り、嵐は俺の保護下に置く。だから、頻繁に会うことになると思うから、皆も仲良くしてやってくれ」

こちらを見てるメンバーにそう言うと、琉希也君はポスッと私の頭の上に手を置いた。


「「「「了解」」」」

私をコッソリ睨み付ける彼女以外が返事を返した。


気付かれてないと思ってるみたいだけど、貴女の悪意はひしひしと感じるんだよね、篠原さん。

そう言えば、彼女って琉希也君にベタベタしてたもんね?

やっぱり、彼が好きなんだろうね?

だから、パッと出の私が彼の横に居るのが気に食わないんだよね。


何となく、隣の琉希也君を見上げた。


「ん?何か言いたい事でもあるのか?」

そんな優しい表情で見下ろさないで、彼女がまた勘違いするから。


「あ...ん、私、美樹と話したいから側に行っても良いかな?」

一先ず彼とは離れよう。 

それが身の安全になると思う。



「あ...ああ。構わねぇぞ。ここでは何も気にせず好きに過ごして良い」

ありがたい返事を貰ったので、


「ん、そうする。ありがと」

と立ち上がって美樹の座るソファーへと向かった。




「嵐ちゃん、こっちこっち」

美樹の側まで行くと、手を引っ張られて戸波君とは反対側に座るように促された。

広いソファーだから、三人座っても狭く感じない。


ここに来て、ようやく彼女の視線から逃れられてホッと息をつく。


「嵐ちゃんって呼んでも良いよね?」

美樹越しに戸波君が微笑む。


「あ、うん」

「あ、俺は日向で良いからね」

ほんと、この子可愛いなぁ。

今流行りの年下男子って感じよね。


「あ、じゃあ、日向君で」

男の子の呼び捨てはやっぱり慣れてないし。


「うん、良いよ良いよ。仲良くしようね」

グッと美樹の前に身を乗りだしてこちらに近付こうとした日向君は、


「日向、目障り。人の前に体乗り出しすぎ」

と美樹に頭を叩かれた。


「いたっ...ごめんごめん。ついね」

エヘヘと照れ臭そうに笑う日向君はその辺に居るのは女の子より愛らしい。



「お前達だけ仲良くなってんなよ。嵐ちゃん、俺は遊佐って呼んでね」

と手を振ってくる遊佐君。


「了解です」

と返しておいた。

あんまり構うとウザいタイプだと思うから。


「私も霞で良いわよ。嵐」

黒髪をかき揚げて妖艶に微笑んだ霞。

スッゴく綺麗だと思った。


この人達って、なんだか、個性的な人達だよね。