「ねえねえ、桃ちゃん」 次の日、私は学校で友達の仁科桃ちゃんに話しかけた。 「ん?何ー?」 桃ちゃんは可愛くてオシャレで、今の流行にも詳しいから、きっと聞いてみるのに一番最適だろう。 「あのさ、藤澤玲さん…って知ってる?」 知らなかったら誰に聞こうかなあ、なんて考えながら聞いてみると― 「藤澤玲!?知らないわけないじゃん!」 と、勢いよく顔を上げた。 知らないわけないじゃん、ってことは。