「あいつは食に厳しいから、普段は他人の手作り、それもあんな深夜になんて食べないんだよ。昨日はなんでか食べてたけどね」 「確かに、あの人が夜中に食ってるなんて珍しいな。前に俺が夜にパン食ってたら『あり得ない』って言ってきたくせに」 「そうなんですか…」 なんだか気難しい人みたい。 でも、食べてもらえたなら嬉しいな。 …まだ会ったこともないけれど。 「あの、今度その方が帰ってこられたときは起こして下さい」 「そんなに夜遅くではなかったらね」 そんな約束をして、お茶の時間は終わりとなった。