―そんなの無理!! 「はあ…」 吉野荘が大好きだった私は、ショックを隠せない。 上がらないテンションと共に一番近くの不動産屋に向かってトボトボと歩いていた。 「まさか、取り壊しなんて…」 せめて、高校生活はずっとあそこで送れるのだと思っていたのに。 「これから、どうしよう…」 思わず俯いて、立ち止まってしまう。 その時だった。