オオカミシェアハウス







「俺の父親ね、モデルだったんだ」


モデル、だった。


「俺が10歳の時に死んだんだけどね。…パリに向かう途中の飛行機が墜落して、そのまま死んだ」


私はヒュッと息を飲んだ。


「父さんはよく俺にモデルの楽しさとか、パリコレのすごさとか、教えてくれた。念願のパリコレに出れるってときは、それはもう喜んで…」


結局出れなかったんだけど、と小さい呟きが聞こえる。


俯く藤澤さんが泣いているように見えて、私が覗き込むと、藤澤さんは顔を上げた。



「俺はその父さんの夢を…いや、父さんの想いも一緒に、自分の夢を叶えたいんだ」



藤澤さんが、笑った。少し悲しそうに笑う彼は、本当に美しかった。