玲side

あのあと少し経ってから

家に帰り、何気なく唇を触る。

罪悪感…。

私がちょっと耐えられなかったせいで…

はあ、とため息をはく。

コンコン…

「どうぞ」

ガチャ…

「お嬢様、ディナーのお時間でございます」

執事さんがそう言って頭を下げる。

ディナーかぁ…全然そんな気分じゃない…。

「…わかりました。
もう少し経ったら行きますから父には先に召し上がってくださいと伝えてください」

「かしこまりました」