いつのまに布団を敷いたのだろう。 


すでに、そこには四人分の布団が川の字に敷かれていた。 


真っ白なシーツに真っ白な枕カバー。


「なんだか、旅行に来たみたい」


旅館に泊まったことはないけど、こんな感じなのかな?


普段はベッドだし、なんか新鮮!


それにしても、広いなぁ。

布団を四組敷いても余りある程、広い部屋に嬉しくなった。 


襖を開けると、また和室が。

さらに、襖を開けると床の間付きの和室が。


つまり、横に三室並んで襖で繋がれていた。


「なんか、大奥みたいだね!テレビと一緒!すご〜い!!」


はしゃぐ私とは対照的に、お兄ちゃんはすごく冷静だった。


おもむろに立ち上がり、廊下へ出ると、網戸を全開にした。