車の後部ドアを開ける。そして彼女を中に入れ、傘を閉じた。
ダイチの車は、後部が全体的にベットになっている。
そしてそこに座らせ、タオルを頭にかぶせてクシャクシャと拭いた。
タオルといっても、ダイチの車にはタオルが常備されているわけではない。
布団として使っている薄いタオルしかなかったので、それを使った。
タオルの間から彼女の表情が見えた。

このとき、二人は初めてお互いの顔を良く見合った。
ダイチはタオルから手を離す。そして、彼女の服に手をかけた。
脱がせるわけにはいかない。自分で脱いでもらおう。
ダイチはそう思い、服をひっぱったあとで、ベットの上にある毛布を指さした。
服を脱いで毛布をかぶっていろ。ダイチは彼女にそう伝えたかったのだ。

ダイチの車は、車の前と後ろ。それから横にもカーテンがついていた。
どこかの駐車場で眠るときに、外から中を見られないようにしてあるのだ。
ダイチは前のカーテンを閉め、車から出ていった。