あれから一ヶ月が経った。 もう五月も中旬である。 前に彩音からの言葉を受けてから、前より意識して秋山くんを見るようになったと思う。 それで…私は気づいてしまった。 私は、秋山くんに恋をしていると。 それから秋山くんと話す時、妙に緊張するようになった。 「おはよ、水谷!」 今日も元気に声をかけてくれる秋山くん。 「お、おはよ…」 どうしても秋山くんを意識してしまう私は、目を逸らしてボソッと挨拶を返すしか出来なかった。