薬品の臭いが鼻を刺激して、少しだけ気分が悪くなる。
戸棚の中に『取り扱い注意!』と書いてあるビンだったり、見覚えのある道具だったり、片栗粉など、何でこんな所に?って思う物たちがズラッと並んでいる。
机の上はゴチャゴチャしていて、絶対にいじるなオーラを放っていた。
「嶋田と大丈夫だった?」
視線は合わさず、ほうきを動かしながら横田が何気なく聞いてきた。
今、それ話したくないんですけど……
「あ、うん。何にもなかったよぉ」
それに、平遥がいるからぶりっこしなきゃいけないし。
「何かあったら、俺に相談しなよ?」
「ありがとぉ」
動かしてる手を止めて、優しい笑みを浮かべ、こっちを向いた横田に、愛想笑いで返した。
その話題は勘弁してくれ。
「なあ、横田ー。俺ゴミ捨ててくるけどいい?」
平遥、ありがとう。
助かった。
心の中で拝む。
この時ばかりは平遥が神々しかった。
神だ、神。
「あ、お願い。ありがとう」
「じゃあ、西野手伝ってー」
ん?
は?
「だーかーらー、手伝って?」
準備室の扉の所で、カモン、カモンと手招きをする。
や、手にしているゴミ、物凄い軽そうですけど?

