気づくと、時計は掃除の開始時刻を指していた。

図書室から、急いで階段を駆け上がる。

掃除場所の理科室は、一階上の二階。

雑巾は必要ないから、教室には戻らなくていい。

急がなきゃ。


「西野遅ーい」


「大丈夫だった?」


「ごめん、あ、うん。大丈夫だったよぉ」


危ない。

今、一瞬ぶりっこするの忘れてた。

平遥いるのに。

ぶりっこするの面倒くさいな……

自分で決めたことなのに。

ちゃんとしなきゃ。


「じゃあ、僕と西野と平遥は準備室やるねー」


なんか、勝手に決められた。

今は一人で行たい気分だったのに……

号令はもう済まされていて、クラスメートは自分の分担場所に移動していた。