《キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン》


チャイムが鳴り、少しすると、スーツを着た、若い男の人が入ってきた。

先生だろう。

だいぶ息が荒い。


「ハァ……ハァ……担任の咲良(サクラ)だハァ……入学式までハァ……時間がないハァ……全員急げハァ……ヤバい、あと一分だ……」


咲良先生の『一分』という言葉を聞き、全員が慌てて教室を出た。

怪我したら嫌だから、私は最後でいいや。

全員出たのを確認して────

あ、まだ居た。

髪を明るい茶色に染めた、いかにもヤンチャしそうな、男子が。

教室を出ようともせず、欠伸してる。

まぁ、私にはあの人が入学式サボろうがサボらないが関係ない。

そう思って、教室を出ようとした。


けど、



「あれ?もしかして、さぼり仲間?」



声のかけられてしまった。