「これ、西野に回してだと」
六時間目の授業、社会の授業で必死に板書をしていると、斜め後ろの平遥からメモ紙が回ってきた。
「なにぃ?これ」
「嶋田から」
先生に見つからないように顔を寄せて話す。
平遥の声が近くで聞こえてこそばゆい。
かなり恥ずかしいかも。
「俺は渡したからな」
よくわからない念を押されて、前を向き直った。
「『嶋田から』って言われてもな……」
手紙みたいに丁寧に折られている紙を重い手で開いた。
───夏休みの前までにちゃんと謝りたい。優香と話がしたい。───
可愛いねずみのキャラのメモ紙に綺麗な字でそう書かれてあった。
「話がしたい……か」

