「こんなに人が多いから、誰かに会ったりして」
「ありそう」
プレゼントを大事に持ちながら、店内をきょろきょろ見回して、少し声のトーンを上げて横田が言った。
「……ん!?あれ、平遥じゃん?」
私は横田のさした指の方を見た。
「あー、本当だ」
「声かけてみようか」
「えー」
私の返事を聞かず、横田は私の腕を引っ張って、平遥を追いかけた。
面倒くさいのに……
「よお」
横田が平遥の肩を叩く。
「……ん?あ、よお」
少し驚き、平遥が返事をする。
「どうしたんだ?二人で」
「デート」
「……っんなわけないでしょぉ!」
ちょっとの間、フリーズした。
まさか、そんなことをいうなんて思っていなかったから。
だから、慌てて訂正した。
デートなんて勘違いされたら、たまったもんじゃない。
学校で平遥がそのことを言いふらしたら、それこそ終わりだ。
それと、ぶりっこもしなくてはならない。
平遥がいる前では、ぶりっこをする。
まだ、コイツには私の本当の顔を知られていない。
嶋田と横田だけだ。
だから、色々面倒なのだ。

