照りつける太陽は、四月ということを忘れさせるほど強い。
立っているだけで、汗が噴き出してしまう。
さっき、私の前を通り過ぎたグレーTシャツのハゲおっさんの脇と背中が、くっきりと色が変わっていた。
額にも汗をかき、照りつけた太陽が頭に反射し、太陽が二つになっていた。
この暑い日にグレーTシャツはないわ……。なんて、少し馬鹿にして、横田の姿を捜す。
早く、モールの中に入りたい……!
横田、まだ来ないの?
「あちぃ……」
一言呟くと、賑やかな街に溶け込んだ。
まさか、約束忘れたってことはないよね?
横田に限ってそれはないよね?
うん、ない。
じゃあ、まさか……
「ご、ご……めん」
「あ……」
息を切らして、しゃがんで私のすぐ後ろにいた。
麦のチロリアンハットに黒チェックの半袖シャツ、七分丈のダークグレーのズボン。
意外とお洒落。
「ごめん、着る服考えてて……」
「女子か!」

