「そう、だったんだ……ごめん、問いただして」
「ううん、別に。話してなんだか、スッキリしたから。ありがとう」
太陽が顔を出した。
それを待ってたように木や花は輝き出す。
世界が明るくなった。
私の心も少しだけ、ほんの少しだけ、明るくなった。
「じゃ、私、教室戻るから」
よっこいしょ。と、立ち上がる。
長い間座ってたから、腰が痛いや。
「西野さん!」
横田が大きな声で呼び止める。
「ん、何?」
「ぶりっこ口調、いいの?」
あ、忘れてた。
まあ、でも、あの事を話しちゃったから、この人の前ではいいや。
「あー、大丈夫。小学生の頃の話、しちゃったしね」
さっきの横田の真似をして、手をヒラヒラ振りながら教室に戻った。