教室に入ると、もうグループという“メンドクサイモノ”ができて、
何個か、固まった人集りができていた。
そんなの関わりたくもない私は、自分の席をさっさと探し当て、窓の外に写る満開の桜を眺める。
ワイワイガヤガヤとうるさい声。
私の席が窓側の列の一番後ろ、というのが、せめてもの救いだ。
「……あれ?優香ちゃん? そうだよね?!優香ちゃんだよね!」
突然、声をかけられた。
それは、聞き覚えのある声。
愛おしく、それと同時に憎い声────
小学生の頃、私を裏切った。
忘れたくても、忘れられなかった────
過去の親友、嶋田七美。

