「あら、西野さん起きてたの」 先生の驚いたような声に曖昧に返事をし、ベッドから降りる。 「ありがとうございました。失礼しました」 軽く礼をして、早歩きで廊下を歩く。 ──嶋田に話しかけられるのを避けるために。 「待って」 無視。 「ねえ、優香ちゃん」 無視だ、無視。 「優香ちゃん」 何を言われようと無視を貫き通す。 「優香!」 「何?!」 しまった。 そう思ったときにはもう遅く、私の顔は──体は完全に嶋田七美の方に向いていた。