「なぁ、西野それマジで言ってんの?」
「えぇ?マジだよぉ。マジマジ」
「本当に言ってるんですか?」
「本当だって言ってるじゃん」
なんなんだ、このメンドウクサイ奴と腹黒眼鏡。
面倒くさいにも程があるでしょ。
なんで、ここまで……
「聞いてんだけど」
「西野さん……」
教室の空気がピリピリとする。
一人ひとりの息まで聞こえてきそうだ。
教室に居る全員の視線が集まり、私の背中に変な汗がタラリと流れる。
平遥がゆっくり私に近づいてきて、肩をつかもうとした。
「そうだよぉ、本当のことだってぇ。ゆうか言ってるじゃん。みんなが言うとおり、最低なんだよぉ?」
私は肩を掴もうとした平遥の手をはらいのけると、それに合わせ捨て台詞を吐いた。
少しだけ、ほんの少しだけ、胸が痛い。
ズキズキと胸が痛かった。
でも。
これで、全員に嫌われた。
これで、相手にされることはない。
これで、いいんだ。
これで、いいんだ。
これで……
あれ?
まだ、胸が痛いや……
なんでだろ……

