「え?」
「いや、隣とあまり喋ってないのに、もう席替えかーって」
そう言って、ハハッと笑う。
そのエガオの裏に、その眼鏡の奥の瞳に、どんな怖いことを考えてるのか。
あぁ、怖い。
「あ、ごめんね?自己紹介が遅れたね。僕、横田翔平(ヨコタ ショウヘイ)。羽谷中小出身なんだ、よろしくね?」
ニコッと笑う。
羽矢中小って、ここらじゃ有名の私立の超頭よくて、超お金持ち学校じゃん。
なんでそんな人が、普通の市立中学に……?
「あ、あ……よろ、しくね?」
ぎこちなく笑い返す。
こんな私、嫌だ。
こんなんだから、虐められてたんだ。
ぶりっこをエンジなきゃ。
「……あ、ごめんねぇ?名前はぁ、西野優香でぇす!」
ぶりっこをやると、横田の顔は引きつり、それから話しかけてこなかった。
「さぁー!クジ引きだー!」
子供のようにはしゃぐ咲良先生の声。
……お子ちゃまだ。

