相変わらず五月蝿い教室。

トモダチと恋の話をしている奴もいれば、放課後のヤクソクをしている奴もいる。

耳障り。

雑音。

舌打ちをしてみる。

結構大きくしたはずだけど、雑音にかき消された。

本を取りだしてページを開く。

別に読むわけじゃない。

やることがなくて、パラパラとめくってるだけ。

特に面白くもない本を読んでいると、何故だか眠くなる。

こんだけ五月蝿い教室なのに、不思議。

こういうとき、高校とかだと音楽聞いてもいいからいいよね。

飽きないし、音楽すきだし。

高校生が羨ましい。


「西野ー」


視界の上の方に、学ランの袖が写り込む。

私の机に置かれる手。

声からして、アイツだ。

クラスで(多分)一番メンドウクサイ奴。

平遥だ。