「ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリ」

ガンッと、うっとうしい目覚まし時計を叩いて、大きな伸びをする。


『中学生からぶりっこ!』


ふと、小学生の頃、半紙書いた目標とカレンダーが目に留まった。

起きたら目に付くように、壁に張った半紙。
 

“ぶりっこ”


小学生の私が考えられた、人から嫌われる方法。

人と関わらないで済む方法。

カレンダーの今日の枠に『入学式』と、赤文字で大きく書き込まれている。

今日から中学生、か……。

本当は、学校なんてもの行きたくないんだけど、中学校までは『義務教育』ってやつだから仕方ない。

私はベッドから下りて、新しい制服に着がえた。