「……え?」


視線を戻すと、目を見開いた嶋田がいた。

…………あ、れ?意外だった?

私だって、そこまで心が狭い訳じゃない。

嫌というほど虐めれた。

それでも、虐めれる前は助けてもらっていた。

親友だった。

それに、嶋田も震えていた。

今ならわかる。

アイツ等に地味で静かな私たちが逆らえっこなかった。

今も、必死に勇気を出して(本当に出したかはわからないけど)伝えてくれた。

だから……かな。

その言葉は案外すんなりと出てきた。


「あり、が、と……う」


教室に、嶋田の震えた声が静かに教室へ溶けた。


「うん。こちらこそ、ありがとう」


私はそっと嶋田を抱きしめる。

窓から見えた夕焼けが目に染みた。

うん、仲直りしてよかった。