ところで。
珍しいたこ焼き味のソフトクリームを食べながら、チサは思う。
さっき先生が言っていた、紅羽と神崎は寝不足で来られない。
寝不足・・・その言葉に、何故か引っ掛かりを覚えていたのだ。
・・・あれ?
確か昨日の夜・・・。
「恭真、本当に昨日の夜、何もなかったんだよね?」
「なかったけど?」
「昨日、チサ夜に紅羽と神崎に会っているんだけど!」
「紅羽とレイに?
もしかして夢の中での話かな?」
「夢じゃない。
紅羽はいつもの三つ編みをほどいて、眼鏡を外していた。
神崎は銀髪で紫色の瞳をしていた」
そこまで言うと、恭真がピタッと行動を止めた。
「覚えていたんだ?」
「やっぱり!?」
恭真はポケットから、小さなピンク色の錠剤を取り出した。
「これ、昨日知紗に飲ませたんだ。
この中には、砂糖と記憶を少し消す成分が含まれている。
この薬によって忘れた記憶を思い出すのは、不可能に近かったんだけどね。
知紗、君は凄いね」
何を言っているの・・・?恭真。


