そのまま、チサはキスされた。
は・・・初めてのファーストキス・・・。
こんなに甘いんだ・・・。
そしてこんなに、
眠くなるん・・・だ。
そのままチサは意識を失った。
「悪いね知紗。
知紗のファーストキス奪って」
ニコリと微笑む恭真の手には、小さなピンク色の錠剤が置いてあった。
砂糖がほんのり含まれている錠剤は、予め自分の口の中にいれておき、チサとキスする瞬間チサの口の中にいれたのだ。
そうとは知らないチサは、そのまま錠剤を飲んだ。
「おはよう知紗」
「おはよう恭真。
ねぇ、昨日の夜何かあったっけ?」
「何もない、静かな夜だったよ?」
少しの間の記憶を消す、特別な成分がはいっていた錠剤を。
恭真は何の躊躇いもなく、チサに飲ませたのだ―――――・・・。


