「まぁ良いよね、それぐらい憧れても」
「だよね?憧れるのは自由だよね?」
あの整った顔立ちで微笑まれれば、誰だって恋に落ちる。
チサも例外ではなかった。
暫く楽しく話すうちに目的地に到着する。
バスの席も隣になり、部屋もババ抜きの結果同じ。
ババ抜きに感謝したの、多分今までもこの先もないよ!
サンキュ、ババ抜き!
「あれ?恭真寝ないの?」
「俺普段は夜起きていて・・・」
「そうなんだ。
意外だね」
ペラリと本のページをめくる音だけが響く。
すると、隣からゴソゴソ音がした。
隣は確か・・・紅羽と神崎の部屋だ。
意外、まだ起きているんだ?
「何の音だろう?少し俺見てくる」
「チサも行く」
足音を消しながら、チサたちは静かに扉を開ける。


